ヨシブログ

本を読んだ感想を書いています。

【書評】これからの会社員の教科書 -個人の時代を生き抜くために-

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こんにちは。ヨシ(@ycs_syohyo)です。

 

今回読んだ本は田端信太郎さんの「これからの会社員の教科書」です。 

 

目次

 

この本を選んだ理由

本書を手にとった理由は2つあります。

1つ目は、Voicy(※)というアプリで田端さんが「35歳にもなってこの本を読んで勉強になったって言ってる人がいたらヤバい」とおっしゃっていて、僕はどれくらい会社員として、ヤバいのかを確かめるためです。

2つ目は僕はヤバい側の人間の自覚があるので、この本を読んで、僕は会社員として何ができて、何ができない人間なのかを自覚するためにこの本を手に取りました。

(※)Voicy:ビジネスの専門家やインフルエンサーの音声コンテンツを聞くことができるアプリ(Youtubeの音声のみ版のようなもの)

 

どんな本か?

NTTデータリクルートlivedoor→LINE→ZOZOと名だたる大企業を渡り歩き、最近ZOZOを退職された田端信太郎さんの著書です。(最近はTomorrowGateという会社のCTO(Chief Twiiter Officer)という役職に就かれたそうです)

この本は、田端さんが20代前半の人に向けて会社員に必要な考え方をまとめられた本です。20代前半の人向けとなっていますが、個人的には年齢問わず、読むべき本だと思います。

あまり会社では教えられない、会社員として仕事するというのはどういうことか、どういうマインドセットを持っていなければいけないのか、上司が新入社員に期待していることは何なのか、なぜ会社の管理職の人間は平社員に比べて高待遇なのかがわかりやすく書かれています。

淡々と事実を述べられているだけでなく、なにか別のことで喩えられていて、その例えが秀逸でとても理解しやすい内容になっています。

71の項目に別れているので、その中でも僕が大事だと感じた3つ項目に絞って発信したいと思います。 

この本は以下のような人におすすめです。

  • これから社会人になる学生
  • 20、30代の社会人

 

感想と思考 

トレードオフになる条件を明確にする

「頭脳労働はどちらかを立てれば、どちらかが立たない」トレードオフの関係で、「既存顧客の満足度」と「新規顧客の獲得」、「部下の育成」と「その部署の短期的な業績」などはトレードオフの関係になっていて、両立することができない。とありました。

本書の例を上げると、自分が広報担当で、社長から「この新商品を話題にしたいから、いろんなメディアで新商品の話題を拡散してほしい」と言われたとして、このときの「目的」は何でしょうか。

「話題にしたい」と言ってもいろいろな解釈があり、「正確性は置いておいて老若男女、あらゆる層に届けたい」のか、「きちんと正確性を担保した上で、なるべく多くの層に届けたい」のか。

前者であれば、情報番組などひと目につくようにアプローチする方法が考えられるし、後者であれば、業界専門誌などに掲載するほうが「目的」を達成できる可能性が高くなります。

この両方、つまり「正確性を担保しつつ、老若男女あらゆる層に届ける」ということを完璧に実現することが難しいので、「倒れるとしたらどちらがイヤか?」を上司とすり合わせて置かなければ行けないということです。

 

僕は頭脳労働に携わっていながらも、トレードオフになっていることを意識できていませんでした。指示されたことをこなす、もしくはそれ以下の基準でしかできていなかったかもしれません。。

会社員の人は、経営陣や上司から指示や依頼を受けて仕事をすることがほとんどだと思います。そして、言われたことをそのままやると、「目的」が達成できないまま、コストと時間だけを浪費し、徒労に終わってしまう可能性がありるということです。

仕事をする上で何かを指示されたとき、「目的」をおさえる。また、その「目的」を達成するためには完璧なゴールは実現が難しく、トレードオフの関係になっていること、について知れたことによって自分の考える視座が変わったように感じました。

 

ファクトとオピニオンの区別をつける

職場の上司や先輩、同僚に情報を伝えるとき、その情報が「自分の解釈が入った意見(オピニオン)」なのか、「客観的な事実(ファクト)」なのかをきっちりと区別しておくことが大切です。

システム開発を受注したとき、「〇〇のシステムを受注しました。納期については年内で希望とのことです」と言われたとした場合、この時の「受注」と「納期」は別問題です。「年内に納品することが条件での受注」なのか、「できれば年内に納品してほしいだけで、納品期限はどうであれ、とにかく発注する」ということなのかで大きく変わってくるからです。

 

僕自身、この「ファクト」と「オピニオン」が区別できていない時があって、上司に報告をする時も「オピニオン」から話してしまっていることが多いな、と感じました。上司に進捗状況を報告するときに今、スケジュールが遅延しているのか、遅延していないのかを伝えないといけないのに、「これで問題なく行けると思います」って言ってしまったりとかするんですよね。。

「なにが決定事項で、何がそうでないのか」を区別することが重要で、上司に報告する時は「ファクト」をベースに「オピニオン」は補足情報として伝えなければいけないな、と改めて学ぶことができました。

「何が動かぬ岩盤なのか」を把握することで、それを基盤にして次の行動を考える上で、決定的に重要で、そのためにも発言や情報を聞いたときにそれが「ファクト」なのか、「オピニオン」なのかを区別する癖付けが重要だと、書かれていたので、今後、自分の行動に加えていこうと思いました。

 

おっさんはメンツが8割

僕はあまりメンツについて、考えたことがありませんでした。

本書には、たとえ、営業先の決済者と面識があったとしても、正式なルートで当たっていくのが大切と書かれています。というのも、営業先の決済者に直接連絡してしまった場合、現場や窓口の人の「メンツ」を潰すことになり、結果的にうまくいかなくなる事が多いからだそうです。

もし、それが良い提案だったとすると、現場や窓口の人が「なんでこんないい話があるのに言ってこなかったんだ」と社長やキーパーソンの人から怒られ、現場の印象は悪くなるからです。

 

僕は営業職ではないので、本書のように、営業先の上層部の人間と知り合いで、直接話しをつけて、仕事を進める、というような経験はないですが、会社内でも同じようなことが言えるなと思いました。

会社員として働く上では組織上のルートを通すのが筋。ということを肝に銘じで置かないといけないな、と思いました。周りの人とWin-Winの関係を築くためにも、相手の「メンツ」を保つことを意識しなければいけないなと思いました。

また、田端さんは本書で、上司として自分が部下に対して「なんで俺に言わなかったんだ」と言ってしまったら、その時点で「ぼくの負け」だと思っている。良くも悪くも「言うだけの価値がない」と思われていただけのこと。情報は伝えても減るものではないからこそ「誰に?いつ?どのように?」伝えるか、その「順序」と「文脈」が重要になってくると言っていて、田端さんのように仕事に対する美学を持つことの重要さを感じました。

 

 ネクストアクション

  • 仕事の「目的」を自分なりの「仮説」を立てて、上司と認識をすり合わせる(トレードオフの観点を踏まえて「仮説」を立てる)
  • 仕事やプライベートで聞いた発言や情報について、それが「ファクト」か「オピニオン」かを区別する
  • 会社の組織体系を改めて確認し、適時調整ルートを検討する

 

まとめ

この本を読んで、会社員であること=プロであること、という意識が自分に足りていなかったな、と痛感しました。

僕を含め、多くの社会人は思考停止していて、無意味に思えるような作業がなぜ必要なのか、疑問も持たずに作業していたり、その作業が必要な理由をきっちり説明できる人が少ないことが問題だと思いました。

このブログでは取り上げられなかったですが、無意味と思われがちな議事録や会食、飲み会がなぜ必要なのか、その理由を知ることができ、とても勉強になることが多く、読んでよかったと思いました。

だからこそ、これから社会人になる人は特に読んでほしい本だと思いました。 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

僕は会社で「ポンコツ」と言われ、上司からいじめやパワハラのようなものを受け、軽く鬱になりかけた時期がありました。

僕は無価値で何をしてもダメな人間だと思い込んでしまっていましたが、本やSNSYoutubeから行動すること、継続することの大切さを学びました。
本で読んだことを真似してみたり、資格の取得などに挑戦するなど、行動し続けることで「ポンコツ」でもやればできる、という成功体験を得ました。
また、行動を続けているとふとした時に今までできていなかったことが自然とできるようになっていることに気づき、自分は価値のない人間ではないと思えるようになってきました。
正直、「ポンコツ」から抜け出せたかと言うと、自分で胸を張って抜け出せたとはまだ言えないと思っていますが、最近は自分の考え方、行動が変わりや周りの環境も少しずつ変わってきたと実感しています。
このブログを読んで、僕と同じ様にどうすれば成果が出るのか、考えれば良いのかわからないという人の気付きのキッカケになれば嬉しいです。

 

それでは。